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自由学芸堂 > ドイツ語 > 基礎 | 文構 | 動成 | 名成 | 副成 | 語法 | 付録

名詞成分



名詞の役割

性の表現

ドイツ語の全ての名詞には慣習的にあらかじめ決められた文法上の性があり、 男性名詞女性名詞中性名詞、の3種類があります。 複数形には性の区別は必要ありません。 名詞の性は自然の性ではなく文法上の性であり、 人間や動物だけでなく、無生物や概念を表す名詞にも性別があります。 個々の名詞のもつ性は、 慣習的に決められたものとしてその都度覚える他にありませんが、 語尾で性を判断できる場合があります(表)。

【表:名詞の性】
 語尾の特徴
女性名詞 -e Blume, Frage, Sache
男性名詞+-inStudentin, Königin
-heit, -keit, -schaft, -ungGesundheit, Wirklichkeit, Wissenschaft, Wohnung
中性名詞-chen, -leinMädchen, Fräulein

単・複の表現

名詞はそれ自身の形を変えることで複数であることを表現します。 個々の名詞のもつ複数形は、 慣習的に決められたものとしてその都度覚える他にありませんが、 次の5つの種類(表)が代表的ですが、 個々の名詞がどの種類に属するかを簡単な規則にまとめることはできません。 また Museum - Museen のような、 下の代表的な複数形には当て嵌まらない形を取る名詞も存在します。

【表:名詞の複数形】
N型複数形 ウムラウトしない Frau - Frauen
ウムラウトする -
E型複数形 ウムラウトしない Tag - Tage
ウムラウトする Hand - Hände
R型複数形 ウムラウトしない Kind - Kinder
ウムラウトする Haus - Häuser
S型複数形 ウムラウトしない Foto - Fotos
ウムラウトする -
零型複数形 ウムラウトしない Lehrer - Lehrer
ウムラウトする Mutter - Mütter

格の表現

格とは文中における名詞の文法的立場を示すもので、 1格(主格)2格(属格)3格(与格)4格(対格)、 の4種類があります。 それぞれの立場は、日本で言うところの 「が(は)」、「の」、「に」、「を」の付く名詞の立場におおよそ対応します。 このような名詞の持つ格を区別するために、 人称代名詞の場合は名詞の形そのものを変形させ、 一般名詞の場合は主に名詞の前に置かれる冠詞や形容詞を変形させます。 ⇒詳細は次項


格の表現

1格(主格)

1格は主語(例.1, 2)および sein 動詞の述語(例.2)の立場です。

【例:主格の立場】
  1. Er schenkt seiner Freundin eine Blume. 彼は彼のガールフレンドに1輪の花をあげます。
  2. Sie ist eine gute Lehrerin. 彼女は良い先生です。

2格(属格)

2格は名詞の付加語的立場です。 一般の名詞が2格を取る場合は、2格を示す冠詞と共に用います(例A.1)。 人称代名詞の場合では、2格は慣用的な使い方(例A.2, 3, 4)以外には使われず、 所有の関係を名詞に付加するには所有冠詞を用います。

【例A:属格の立場】
  1. Wir feiern den Geburtstag des Vaters. 私達は父の誕生日を祝います。
  2. Eines Tages rief Heinz mich an und sagte, daß er mich liebt. ある日ハインツは私に電話をし、愛していると言いました。
  3. Meines Wissens ist Tasturo in Saitama geboren. 私の知るところでは、達朗は埼玉で生まれました。
  4. Ich bin der Meinung, daß Anita sehr intelligent ist. 私はアニタはとても賢いという意見です。

固有名詞が2格をとる場合は、名詞の語尾に -s を付ける(例B.1, 2)。 もし、名詞が -s, -ß, -x, -z などで終わる名詞であるなら、 von やアポストロフ「 」などを用います(例B.3)。 2格の固有名詞に冠詞などが付き、格が明示できる場合は、 名詞の語尾に -s は付けません(例B.4)。

【例B:固有名詞の属格】
  1. Heute ist Anitas Geburtstag. 今日はアニタの誕生日です。
  2. Wir freuen uns über den Wiederaufbau Dresdens. 私達はドレスデンの復興を喜んでいます。
  3. Das ist die Brille von Heinz. / Das ist Heinz' Brille. これはハインツの眼鏡です。
  4. Heute ist der Geburtstag unserer Claudia. 今日は私達のクラウディアの誕生日です。

3格(与格)

3格は間接目的語の立場であり、 日本語の「に」の付く名詞の立場におおよそ相当します(例.1, 2)。 また、体の一部の持ち主を表すような場合もあります(例.3)。

【例:与格の立場】
  1. Er schenkt seiner Freundin eine Blume. 彼は彼のガールフレンドに1輪の花をあげます。
  2. Die Frage ist mir zu schwer. その質問は私に難しすぎます。
  3. Sie putzt dem Baby den Popo. 彼女は赤ちゃんのお尻を拭きます。

4格(対格)

4格は直接目的語の立場であり、 日本語の「を」の付く名詞の立場におおよそ相当します(例.1)。 独立して時を表すこともあります(例.2, 3, 4, 5)。

【例:対格の立場】
  1. Er schenkt seiner Freundin eine Blume. 彼は彼のガールフレンドに1輪の花をあげます。
  2. Ich fahre diesen Sommer nach Spanien. 私はこの夏にスペインへ行きます。
  3. Ich fahre nächsten Sonntag nach Spanien. 私は次の日曜日にスペインへ行きます。
  4. Ich habe ihn letzte Woche getroffen. 私は先週彼に会いました。
  5. Wir haben uns lange Zeit nicht gesehen. 私達は長い間会っていません。

代名詞

人称代名詞

人称代名詞は人称の区別を示す名詞です。 人称代名詞は 人称・数・格(および3人称の場合は性)に応じて次の形になります(表)。

【表:人称代名詞変化表】
 1人称2人称親称2人称敬称3人称
 単数複数単数複数単複同型単数複数
1格ichwirduihrSieersieessie
2格meinerunserdeinereuerIhrerseinerihrerseinserihrer
3格mirunsdireuchIhnenihmihrihmihnen
4格michunsdicheuchSieihnsieessie

*上記表中にある2人称の du, ihr は家族、恋人、友人など親しい間柄の人や、 子ども神などに対して用いられ、この立場の2人称を特に親称と呼びます。 一方、Sie はそれ以外の人に対して用いられ、敬称と呼びます。

人称代名詞の2格は、現代ドイツ語では滅多に用いられることはありませんが、 動詞の目的語になったり、2格支配の前置詞と共に用いられたりすることがあります(例.1 の主節)。 「彼の本」などの所有関係は所有冠詞で表します(例.1 の従属節)。

【例:人称代名詞の2格】
  1. Statt seiner, kommt seine Frau. 彼の代わりに奥さんが来ます。

指示代名詞

指示代名詞は、ある対象を他と区別して強く指し示す働きをします。 指示代名詞 der の格変化は定関係代名詞 der と同じです(例.1)。 複数2格に derer という別形もありますが、 これは関係代名詞の先行詞として「人」を表す場合にのみ用いられます。 名詞を伴わないで代名詞的に用いられた指示冠詞 dieser, jener, solcher, derjenige, derselbe も一般に指示代名詞と呼ばれます。

【例:指示代名詞】
  1. Den kenne ich nicht. そんな男は知りません。

不定代名詞

不定代名詞は、漠然と不特定の人や物を表す名詞です。 人を表す不定代名詞には、 man(例.1), einer(例.2), keiner(例.3), jeder(例.4), alle(例.5), einige(例.6), jemand(例.7), niemand(例.8) があります。

【例:人を表す不定代名詞】
  1. Hier darf man nicht rauchen. ここで喫煙してはいけません。
  2. Eine der Frauen spricht Japanisch. その女性達のうちの一人は日本語を話します。
  3. Haben Sie Füller? ― Nein, ich habe keine. 万年筆を持っていますか? − いや、それを持っていません。
  4. Jeder weiß das. 誰もがそれを知っています。
  5. Alle sind hierher gekommt. みんなここに来ました。
  6. Einige von uns wissen das. 私達の何人かはそれを知っています。
  7. Jemand klopft an die Tür. 誰かがドアをノックしています。
  8. Neimand weiß es. 誰もそれを知りません。

物を表す不定代名詞には、einer(例.1), eins(例.2), einiges(例.3), etwas(例.4), welcher(例.5), alles(例.6), nichts(例.7) があります。

【例:物を表す不定代名詞】
  1. Da klopfte einer. 誰かがノックしました。
  2. Eins darfst du nicht vergessen. 君は一つ忘れてはならない。
  3. Ich muß noch einiges sagen. 私はまだいくつかのことを言わなくてはなりません。
  4. Alles oder nichts. 全てか無か。
  5. Hast du etwas gefunden? - Nein, ich habe nichts gefunden. 何か見つかった? いや、何も見つかっていない。
  6. Ich habe jetzt kein Geld. Hast du welches? いま、お金を持ってないんだけど、いくらか持ってる?
  7. Ich habe nichts zu sagen. 言うことは何もありません。

再帰代名詞

再帰代名詞は、「彼は自分を誉める」のような表現で 「自分を」や「自分に」という意味を表す名詞です。 再帰代名詞には人称と数に応じて次の形があります(表)。 (1人称と2人称親称は、人称代名詞をそのまま再帰代名詞として用います。) 再帰代名詞は、主語の行為が主語自身に向けられることを表す再帰表現において、 「自分を」、「自分に」という意味を表すだけでだけでなく、 再帰動詞と共に用いられたり、 成句的表現に用いられることも頻繁です。

【表:再帰代名詞】
 1人称2人称親称2人称敬称3人称
 単数複数単数複数単複同型単数複数
3格mirunsdireuchsich
4格michunsdicheuchsich

相互代名詞

相互代名詞は、einander のように「お互いに」ということを表す名詞です(例.1)。 再帰代名詞も主語が複数のときは相互的意味を持ちます。

【例:相互代名詞】
  1. Die beiden hassen einander. (または sich) 二人は憎しみ合っている。

疑問代名詞

疑問代名詞は名詞を問う疑問詞。 疑問代名詞には wer(例.1), was(例.2) があります(表)。 名詞を伴わずに代名詞的に用いられた疑問冠詞 welch も一般に疑問代名詞と呼ばれます。

【例:疑問代名詞】
  1. Wer ist das? こちらは誰ですか?
  2. Was ist das? これは何ですか?
  3. Welcher ist der teuerste Computer? どれが一番高価なコンピュータですか?
【表:疑問代名詞 wer, was】
wer was
1wer was
2wessen wessen
3wem -
4wen was

関係代名詞

関係代名詞は、名詞に節を結び付け名詞成分を作る語です。 説明する名詞の格に従った格変化を持ち、 節内の動詞の定型は節の末尾に置かれます。 このとき主節と関係詞節との間を常にコンマで区切ります。 関係代名詞には定関係代名詞 der, welch、不定関係代名詞 wer, was があります。

定関係代名詞は、直前の名詞を説明す働きを持ちます(例A.1)。 der の格変化は 2格以外は冠詞の格変化と同じです(表)。 welch は主に文語で用いられ、格変化は dieser と同じです。 但し、男性・中性 2格で名詞自体に語尾 -s が現れる場合、 普通 welchen が使われます。 また、welch は、格語尾を付けずに使われる場合もあります。

【例A:定関係代名詞】
  1. Er sucht das Buch, das er gestern gekauft hat. 彼は昨日買った本を探しています。
【表:定関係代名詞 der】
男性 女性 中性 複数
1der die das die
2dessen deren dessen deren
3dem der dem denen
4den die das die

不定関係代名詞 wer, was は直前に名詞を持たずに、 人(例B.1)や物(例B.2)を説明する節を作ります。 wer は直前に名詞を持つことはありませんが、was は das, alles, etwas, nichts などを持つことがあります。不定関係代名詞 wer, was の格変化は、 疑問代名詞の wer, was に同じです。

【例B:不定定関係代名詞】
  1. Wer keinen Führerschein hat, darf nicht Auto fahren. 免許証を持っていない人は車を運転してはいけません。
  2. Er vergißt nichts, was er einmal gehört hat. 彼は一度聞いたことは忘れません。

冠詞

冠詞は次に置く名詞の意味を限定する働きを持ち、 またその名詞の持つ格も規定します。

定冠詞

定冠詞は話し手と聞き手が次に来る名詞の情報を既に共有していることを表す冠詞です。 定冠詞には der があり、 後に続く名詞の格によって形を変えます(例.1, 2)(表)。 格と性別によっては、冠詞と共に名詞自身も形を変えます(表)。

【例:定冠詞】
  1. Wir feiern den Geburtstag des Vaters. 私達は父の誕生日を祝います。
  2. Vor unserem Haus steht ein BMW. Den Wagen habe ich schon einmal gesehen. 私たちの家の前にBMWが停まっています。あの車は前に一度見たことがあります。
【表:定冠詞の格変化】
 男性女性中性複数
1格der Vater die Mutterdas Kind die Bücher
2格des Vaters der Mutterdes Kind(e)s der Bücher
3格dem Vater der Mutterdem Kind den Büchern
4格den Vater die Mutterdas Kind die Bücher

*男性名詞の中には、Mensch, Junge, Student, Pianist, Herr のように、 単数1格以外のすべてに -en または -n が語尾に付くものがあります。

不定冠詞

不定冠詞は、 次に来る名詞が話し手と聞き手が情報を共有できない不特定な一つのものであることを示す冠詞です。 不定冠詞には、ein、jeder, all があり、 後に続く名詞の格によって形を変えます(例.1, 2)(表)。 冠詞に伴う名詞の変化は定冠詞の場合に同じです。

【例:不定冠詞】
  1. Hast du einen Kuli? ボールペンを持っている?
  2. Gestern ist hier ein Verkehrsunfall geschehen. きのうここで交通事故が起きました。
【表:不定冠詞の格変化】
 男性女性中性
1格ein Mann eine Frau ein Kind
2格eines Mann(e)seiner Frau eines Kind(e)s
3格einem Mann einer Frau einem Kind
4格einen Mann eine Frau ein Kind

指示冠詞

指示冠詞は、 ある対象を他と区別して強く指し示す働きをする冠詞です。 der, dieser, jener, solcher, derjenige, derselbe 等があります。 指示冠詞 der は定冠詞とは異なり、常にアクセントを持ちます。 指示冠詞の格変化は定冠詞に準じます(例.1)(表)。

【例:指示冠詞】
  1. Ich erinnere mich oft an jenen Tag. 私はよくあの日のことを思い出します。
【表:指示冠詞の格変化】
 男性女性中性複数
1格dieser Vater diese Mutter dieses Kind diese Bücher
2格dieses Vaters dieser Mutter dieses Kind(e)s dieser Bücher
3格diesem Vater dieser Mutter diesem Kind diesen Büchern
4格diesen Vater diese Mutter dieses Kind diese Bücher

所有冠詞

所有冠詞は、名詞の前に置かれて所有関係などを表す冠詞です(例.1)。 所有冠詞には、mein, unser, dein, euer, Ihr, sein, ihr, sein, ihr があります(表A)。 格変化は不定冠詞に準じます(表B)。

【例:所有冠詞】
  1. Ich habe heute meinen Zug verpasst. 私は今日いつもの列車に乗り遅れてしまった。
【表A:所有冠詞】
1人称2人称
親称
2人称
敬称
3人称
単数複数単数複数単複
同型
単数
男性
単数
女性
単数
中性
複数
meinunserdeineuerIhrseinihrseinihr
【表B:所有冠詞の格変化】
 男性女性中性複数
1格mein Mann meine Frau mein Kind meine Geschwister
2格meines
Mann(e)s
meiner Frau meines
Kind(e)s
meiner Geschwister
3格meinem Mann meiner Frau meinem Kind meinen Geschwistern
4格meinen Mann meine Frau mein Kind meine Geschwister

否定冠詞

否定冠詞は、次に来る名詞が無い事を表す冠詞です(例.1)。 否定冠詞には kein がある。格変化は不定冠詞に準じます。

【例:否定冠詞】
  1. Ich habe keine Zeit. 私は時間が無い。

疑問冠詞

疑問冠詞は、疑問文において、 「どの…」(…は次に来る名詞)という疑問を表す冠詞です(例.1)。 疑問冠詞には welch があります。格変化は、定冠詞に準じます。

【例:疑問冠詞】
  1. Welches Auto ist das teuerste? どの車が一番高いですか?

形容詞

付加語的用法

形容詞は名詞の前に置くことで名詞を修飾する働きを持ちます。 後に来る名詞の性・数・格に応じて形容詞には語尾変化があります。 修飾の対象となる名詞が冠詞を持たないか(例.1)(表A)、 定冠詞を持つか(例.2)(表B)、 不定冠詞を持つか(例.3)(表C)によって、 形容詞の取る語尾変化の様子は異なります。

【例:形容詞の付加語的用法】
  1. Das ist sein großes Haus. あれは彼の大きな家です。
  2. Bist du schon in dem alten Schloß gewesen? 君はもうあの古い城に行ってみた?
  3. Meine alte Uhr ist kaputt. 私の古い時計は壊れています。
【表A:形容詞+名詞】
  男性 女性 中性 複数
1格 schöner
Garten
schöne
Frau
schönes
Haus
schöne
Charakterzüge
2格 schönen
Gartens
schöner
Frau
schönen
Hauses
schöner
Charakterzüge
3格 schönem
Garten
schöner
Frau
schönem
Haus
schönen
Charakterzügen
4格 schönen
Garten
schöne
Frau
schönes
Haus
schöne
Charakterzüge

【表B:定冠詞(類)+形容詞+名詞】
 男性女性中性複数
1格der schöne
Garten
die schöne
Frau
das schöne
Haus
die schönen
Charakterzüge
2格des schönen
Gartens
der schönen
Frau
des schönen
Hauses
der schönen
Charakterzüge
3格dem schönen
Garten
der schönen
Frau
dem schönen
Haus
den schönen
Charakterzügen
4格den schönen
Garten
die schöne
Frau
das schöne
Haus
die schönen
Charakterzüge

【表C:不定冠詞(類)+形容詞+名詞】
  男性 女性 中性 複数
1格 mein schöner
Garten
meine schöne
Frau
mein schönes
Haus
meine schönen
Charakterzüge
2格 meines schönen
Gartens
meiner schönen
Frau
meines schönen
Hauses
meiner schönen
Charakterzüge
3格 meinem schönen
Garten
meiner schönen
Frau
meinem schönen
Haus
meinen schönen
Charakterzügen
4格 meinen schönen
Garten
meine schöne
Frau
mein schönes
Haus
meine schönen
Charakterzüge

叙述的用法

形容詞は、sein 動詞の後などで主語の属性や状態を表します(例.1)。 この用法では形容詞の語尾変化を考える必要はありません。

【例:形容詞の叙述的用法】
  1. Sein Haus ist groß. 彼の家は大きいです。

比較変化

比較変化は、程度の比較をする場合の用いられる語形です。 比較変化には、より程度が大きいことを表す比較級と、 程度が最も大きいことを示す最上級があります。 普通、比較級は短母音をウムラウトさせ(させないものもある)語尾を -er に、 最上級は語尾を -sten とします(表)。

比較級の文では、als 以降で比較の対象を示します(例.1, 2, 3)。 形容詞の比較級・最上級を付加語的に用いる場合は、 語尾の後に、原級の場合と同じように格語尾を付けます(例.3, 4)。 形容詞の最上級を叙述的に用いる場合は der (die, das) -ste(複数の場合は die -sten) を用いるか(例.5)、am -sten の形を用います(例.6)。 但し、同一の人や物について、 ある条件のときに「一番…だ」というときは、 am -sten の形式しか用いることが出来ません(例.7)。

【例:形容詞の比較変化】
  1. Ich habe mehr Geld als du. 私は君よりお金を持っている。
  2. Mein Auto ist größer als deins. 私の車は君のより大きい。
  3. Ich habe ein größeres Auto als du. 私は君の車より大きな車を持っている。
  4. Sie hat das größte Auto unter meinen Freunden. 彼女は私の友達の中で一番大きな車を持っています。
  5. Unter den Schülern ist Hans der größste. 生徒の中ではハンスが一番背が高いです。
  6. Er ist am reichsten. 彼が一番金持ちです。
  7. Er ist vor der Prüfung am fleißigsten. 彼は試験前が一番勤勉です。
【表:形容詞の比較変化】
規則的な比較変化不規則な比較変化
原級比較級最上級 原級比較級最上級
teuerteurerteuerst- gutbesserbest-
langlängerlängst- hochhöherhöchst-
kurzkürzerkürzest- nahnähernächst-
neuneuerneuest- vielmehrmeist-
altälterältest- wenigweniger
minder
wenigst-
mindest-

名詞化

zu不定詞

zu不定詞とは動詞の不定形の前にzuを付けたものです。 動詞を名詞化する場合に用いることが出来ます。 不定形の目的語を zu の前に置くことができ、 その際zu不定詞句の直前にコンマ「 , 」を打ちます(例.1, 2)。 分離動詞のzu不定詞は、前綴りと基礎動詞部分との間に zu を入れて作ります。 助動詞を用いて zu不定詞 を作ることも出来ます(例.1)。

【例:zu不定詞による名詞化】
  1. Physik zu studieren, ist interessant. 物理学を学ぶことは面白い。
  2. Es ist schön, Deutsch sprechen zu können. ドイツ語を話せることは素晴らしいです。

動詞

ドイツ語の動詞は、始めの文字を大文字にすると名詞化することができ、 中性名詞として扱います(例.1, 2)。

【例:動詞の名詞化】
  1. Das Betreten der Rasenfläche ist verboten. 芝生に立ち入ることを禁ずる。
  2. Das ist nicht zum Trinken. それは飲み物ではない。

形容詞

形容詞を大文字で書き始め、 意図する性別に従って 形容詞の付加語的用法 と同じ格語尾を付けると、 形容詞単独で、「…な人」や「…なこと」という名詞を表現します。 男性単数(例.1)、女性単数、 及び複数(例.2)の変化語尾を持たせたものは、 性別ごとの「…な人」を表します(表A)。 中性単数の変化語尾を持たせたものは、「…なこと・もの」を表します (抽象概念なので不定冠詞は付きません)(例.3)(表B)。

【例:形容詞の名詞的用法】
  1. Der Arzt pflegt einen Kranken. その医者は患者の世話をします。
  2. Die Armen werden immer ärmer, und die Reichen immer reicher. 貧しい人達はますます貧しく、富める者は益々富む。
  3. Ich möchte etwas Warmes essen. 何か暖かいものが食べたい。
【表A:形容詞の名詞的用法】
 男性 女性 中性 複数
 その厄介な男 その厄介な女 その厄介なこと その厄介な人々
1格der Widerwärtige die Widerwärtige das Widerwärtige die Widerwärtigen
2格des Widerwärtigen der Widerwärtigen des Widerwärtigen der Widerwärtigen
3格dem Widerwärtigen der Widerwärtigen dem Widerwärtigen den Widerwärtigen
4格den Widerwärtigen die Widerwärtige das Widerwärtige die Widerwärtigen
 ある厄介な男 ある厄介な女   ある厄介な人々
1格ein Widerwärtiger eine Widerwärtige   Widerwärtige
2格eines Widerwärtigen einer Widerwärtigen [表2参照] Widerwärtiger
3格einem Widerwärtigen einer Widerwärtigen   Widerwärtigen
4格einen Widerwärtigen eine Widerwärtige   Widerwärtige

中性の場合は etwas や nichts などと共に多く用いられます。

【表B:形容詞の名詞的用法(中性)】
 「厄介なこと」 「なにか新しいこと」 「特別何もないこと」
1格Widerwärtiges etwas Neues nichts Besonderes
2格- - -
3格Widerwärtigem etwas Neuem nichts Besonderem
4格Widerwärtiges etwas Neues nichts Besonderes

形容詞化

現在分詞

現在分詞とは、不定形の語幹に -end をつけたものです(表)。 現在分詞は「…している」「…しつつある」という意味を表す形容詞のように用いられ、 形容詞と同じ格語尾を用いて名詞を修飾します(例.1)。 また、形容詞の副詞的用法に同じく、動作の様態などを表すこともできます(例.2)。

【例:現在分詞】
  1. Der jetzt schlafende Student hat gestern auch geschlafen. その今眠っている学生は昨日も寝ていました。
  2. Sie grüßte lächelnd den Gast. 彼女は微笑みながら客に挨拶しました。
【表:現在分詞】
不定形 schlafen sein tun sammeln ändern
現在分詞 schlafend seiend tuend sammelndändernd

過去分詞

過去分詞とは、原則として不定形の語幹の前後に ge と t を付けたものです。 過去分詞は完了形や受動文に用いられる他に、 「…される」、「…された」という受動的な意味(他動詞の場合)や、 「…した」という完了の意味(自動詞の場合)を表す形容詞のように用いられます。 不規則変化動詞や外来語から来た動詞の等での過去分詞の作り方は、 原則とは若干異なります(表)。 過去分詞が名詞を修飾する場合、形容詞と同じ格語尾を付けます(例.1, 2)。 形容詞の副詞的用法と同じように、 動詞の様態などを表す働きをさせることも出来ます(例.3)。

【例:過去分詞】
  1. Ich habe ein gekochtes Ei gegessen. 私はゆで卵を食べました。
  2. Ich erinnere mich an die vergangenen Tage in Berlin. 私はベルリンでの過ぎ去った日々を思い出しました。
  3. Er ging beruhigt ins Bett. 彼はほっとして床につきました。
【表:過去分詞】
  規則動詞
(弱変化)
不規則動詞
(強変化 )
不規則動詞
(混合変化)
不定形 lernen gehben denken
過去分詞 gelernt gegeben gedacht
  -ieren -eien
で終わる外来語
非分離動詞 分離動詞
不定形 probieren / prophezeien verkaufen anrufen
過去分詞 probiert / prophezeit verkauft angerufen

zu不定詞

zu不定詞とは、動詞の不定形の前に zu を付けたものです。 zu不定詞は、直前の名詞を修飾する働きをもちます(例.1)。 不定形の目的語を zu の前に置くことができ、 その際 zu不定詞句の直前にコンマ「 , 」を打ちます(例.2)。

【例:zu不定詞による形容詞化】
  1. Ich habe kein Buch zu lesen. 私は、読むような本を持っていません。
  2. Ich habe keine Zeit, mit dir zu reden. 私には君と話していられるような時間はない。

未来受動分詞

未来受動文詞は、他動詞の現在分詞の前に zu を置いたものです。 形容詞と同様に語尾を付けて名詞を修飾し、 「〜されるべき…」「〜されうる…」という意味を表します。

  1. Die von den Schülern zu lesenden Bücher sind verschwunden. 生徒が読むにふさわしいような本がなくなった。