« PREV 第2章 文の構造 NEXT »

表現別構造

基本

ドイツ語で文を作る際の基本は、主題となる名詞成分を先頭にし、次に動詞成分を決定し、その後必要な情報を加えてゆきます。(例.1, 2, 3)

【例:基本的な文】
  1. Ich laufe. 私は歩きます。
  2. Sie ist schön. 彼女は美しいです。
  3. Du leihst ihm das Buch. 君は彼に本を貸す。

否定

否定文は否定の内容を表す文です。否定文は否定の副詞 nicht を文末に置くことで否定を表現します(例.1, 3)。 sein動詞 を用いる場合は、動詞の直後に nicht を置くことが普通です(例.2)。特に否定したい語がある場合は、その語の直前に nicht を置きます(例.4)。

【例:nichtを用いた否定の文】
  1. Ich laufe nicht. 私は歩きません。
  2. Sie ist nicht schön. 彼女は美しくありません。
  3. Du leihst ihm das Buch nicht. 君は彼に本を貸さない。
  4. Du leihst ihm nicht das Buch. 君は彼に本は貸さない。

否定の冠詞 kein(例.1)、及び否定の意味を持つ代名詞(例.2)や副詞(例.3)を用いて否定を表すこともあります。

【例:否定の文のいろいろ】
  1. Er hat kein Geld. 彼はお金がありません。
  2. Niemand kennt sein Gesicht. 彼の顔を誰も知りません。
  3. Sie sieht selten ihre Eltern. 彼女は両親に滅多に会いません。

疑問

疑問文は疑問の内容を表す文です。文末は疑問の文であることを示す疑問符「」で終えます。疑問文には、疑問詞を用いない一般疑問文(例.1)と、疑問詞を用いる補足疑問文(例.2)があります。一般疑問文には通常、ja, nein で答えることが出来ます。特に否定形で訊ねられた疑問に否定して答える場合は、doch で答えます。一般疑問文は定型第一位の形をとり、補足疑問文は定型第二位をとります。疑問詞には疑問代名詞 wer, was, welch 疑問副詞 wann, wo, woher, wohin, warum, wie 及び疑問冠詞 welch があります。

会話では、通常の文の文末に oder を付け加え、疑問調で念を押すように訊ねることがあります(例.3)。

【例:疑問文】
  1. Liebst du mich? 私のことを愛している?
    Ja, ich liebe dich. うん、愛しているよ。
    Nein, ich liebe dich nicht. いや、愛していないよ。
  2. Warum liebst du mich? どうして私のことを愛しているの?
    Weil du viel Geld hast. だって、お金たくさん持っているから。
  3. Liebst du mich nicht 私のこと愛していないの?
    Doch, ich liebe dich. そんなことない、愛しているよ。
  4. Du liebst sie, oder? 彼女のことを愛しているんじゃないの?

命令

命令文は話し相手に対し命令を表す文です(例.2)。使い方によれば誘いやお願いの意味を持ちます(例.1, 3)。命令文の動詞には命令法を用います。特に強い命令を表す場合は感嘆符「」で終えます。 du に対する命令文(例.1)と ihr に対する命令文(例.2)は命令法の動詞を文頭に置き、主語は原則として省きます。 Sie に対する命令文も命令法を先頭に置きますが、主語の Sie は省きません。

【例:命令文】
  1. Komm her. こっちへおいでよ。
  2. Eßt langsamer! もっとゆっくり食べなさい。
  3. Sprechen Sie bitte langsamer. もっとゆっくり話してください。

感嘆

感嘆文は、感嘆の気持ちを表す主観的な文です。通常は感嘆符「」で終えます。疑問詞を用いた感嘆文の場合、定型は後置となることが普通です(例.1, 2, 3)。疑問詞を用いない感嘆文の場合、定型は第二位または第一位を取ります(例.4)。実際には主語も動詞も省略し表現することも頻繁にあります(例.5)。

【例:感嘆文】
  1. Was für eine schöne Landschaft das ist! なんて美しい景色なんだ!
  2. Welch schöne Landschaft das ist! なんて美しい景色なんだ!
  3. Wie groß du bist! 君はなんて大きいんだ!
  4. Du hast aber gut gemacht! 君は本当にうまくやったね。
  5. Wie schade! なんて残念!

時制

ドイツ語には文法上 現在過去未来 の3つの基本時制があります。現在および過去 は動詞の形によって表現し、未来の表現には助動詞 werden を用います。またこの基本時制それぞれに完了形が組み合わさることで、合計6つの時制表現が存在します(表1)。

時制表現のそれぞれは、 現在形(例A.1)、 過去形(例A.2)、未来形(例A.3)、 現在完了形(例A.4)、過去完了形(例A.5)、 未来完了形(例A.6)と呼びます。

完了形は、助動詞の haben または sein と動詞の過去分詞を用いて作ります。大部分の動詞は完了の助動詞として haben を用いますが、例えば、場所の移動を表す動詞 gehen, kommen、状態の変化を表す動詞 werden, sterben その他 sein, bleiben, begegnen などの自動詞は sein を用います。

【表:時制】
完了形
現在形 Ich lernen. Ich habe gelernt.
過去形 Ich lernte. Ich hatte gelernt.
未来形 Ich werde lernen. Ich werde gelernt haben.
【例A:時制の表現】
  1. Ich lerne Deutsch. 私はドイツ語を学びます。
  2. Ich lernte gestern Deutsch. 私は昨日ドイツ語を学びました。
  3. Ich werde nächstes Jahr Deutsch lernen. 私は来年ドイツ語を学びます。
  4. Ich habe seit 2000 Deutsch gelernt. 私は2000年からドイツ語を学んでいます。
  5. Als er mit dem Boot die Mitte des Sees erreichte, war sein Sohn schon am anderen Ufer angekommen. 彼がボートで湖の中腹まで来たとき、彼の息子は既に対岸に到達していました。
  6. Er wird die Arbeit morgen beendet haben. 彼はその仕事を明日には終えていることでしょう。

実際のドイツ語では、未来の事柄でもそれが必ず起こるような場合には現在形を用います(例B.1)。また、現在完了形は過去を表す表現としても頻繁に用い、gestern のような過去を示す副詞も共に用いることが出来ます(例B.2)。

【例B:時制の表現】
  1. Bald landen wir in Berlin. まもなく私達はベルリンに着陸します。
  2. Ich habe mir gestern einen deutschen Film angesehen. 私は昨日ドイツの映画を見ました。

受動

受動文は、「…される」という受身の意味を表す文です。動詞の過去分詞と受動の助動詞 werden の組み合わせを基礎としてつくります(例A.1)。能動文の主語に当たる動作主(行為の主体)を表すときは「von + 3格」を用います。能動文の主語が動作主ではなく、原因や手段であるならば場合により「durch + 4格」や「mit + 3格」を用います。受動文で過去の時制をあらわす場合 werden を過去形にすることで表現します(例A.2)。現在完了を表す場合は完了の助動詞に sein を用い、 werden を過去分詞として worden とします。

【例A:基本的な受動文】
  1. Sie wird von ihrem Freund geliebt. 彼女は彼に愛されています。
  2. Er wurde von seinem Vater gelobt. 彼は父に誉められました。

自動詞(目的語を持たない動詞)で受動文を作ることもあり、その場合は主語がなく動詞の定型は三人称単数になります(例B.1)。形式的に主語として es を文頭に置くこともあります(例B.2)。

【例B:主語を持たない受動文】
  1. Heute wird nicht gearbeitet. 今日は仕事が行われません。
  2. Es wird heute nicht gearbeitet. 今日は仕事が行われません。

他動詞の過去分詞と sein を組み合わせることで、「…された状態である」というような結果的状態を表します(例C.1)。(例C.2 は受動の助動詞 werden を用いた場合。)

【例C:状態の受動文】
  1. Die Tür ist geöffnet. 戸が開いている。
  2. Die Tür wird geöffnet. 戸が開けられる。

比較

比較文は二つ以上のものの程度を比較する文です。比較文には、原級の文比較級の文最上級の文の3種類があります。

原級の文は二つのものを比較して同程度であることを示す文で、通常、「 so+形容詞 または 副詞+wie 」の形を用います(例.1)。またこのとき、so の前に halb, doppelt などを置くと、倍数関係が表現できます(例.2)。

比較級の文は程度に違いがあることを示す文で、比較級の文は、「 比較級+als 」の形を用います(例.3)。

最上級の文はあるものを複数のものと比べ程度が最も大きいことについて述べる文で、通常「最上級+前置詞」の形を用います(例.4)。

【例:比較の文】
  1. Unsere Stadt ist so groß wie Leipzig. 私達の町はライプチッヒと同じ大きさだ。
  2. Unsere Stadt ist nur halb so groß wie Leipzig. 私達の町ライプチッヒの半分の大きさしかない。
  3. Berlin ist größer als München. ベルリンはミュンヘンより大きい。
  4. Berlin ist die größte unter den deutschen Städten. ベルリンはドイツの都市の中では一番大きい。

強調

強調の文はある語を特に強調する文です。強調する語を先頭に出し定型第二位とします。

【例:強調の文】
  1. Gestern eröffnete der Weihnachtsmarkt. 先日クリスマスマーケットが開かれた。
  2. Das möchte ich haben. それを私は欲しい。

引用

引用の文は他者の発話や考えを引用して述べる文です。引用の文には引用符を用い元の言葉通りに伝える直接引用文(例.1)と、引用者の立場から言いなおして間接的に伝える間接引用文(例.2)とがあります。間接引用文では引用内容を表す節内に原則として接続法第一式を用います。但し、接続法第一式が直説法現在形と同型になる場合は、接続法第二式を使うことが普通です(例.3)。

【例:引用の文】
  1. Er sagte: „Ich bin verrückt.“ 彼は「私は狂っている」と言った。
  2. Er sagte, er sei verrückt. 彼は自分は狂っていると言った。
  3. Sie sagte, ich hätte kein Geld. 彼女は、僕はお金を持ってないなんてことを言った。
Last Update : 2009.01.16, Author: でるたま~く
Copyright (C) 2009 自由学芸堂ドイツ語 All Rights Reserved
- サイトインフォメーション -